10月は乳がん啓発月間です。開院して5ヶ月になりますが、きちんと検診を受けている方が予想以上に多くおられると感じていて、ピンクリボン活動もかなり浸透してきている様に思います。
今回は、局所的非対称性陰影(focal asymmetric density 略してFAD)についてです。マンモグラフィでは、乳腺や腫瘤は白く映ります。左右を並べて読影するのですが、左右対称を基本として、一部分(局所的)に白く映って左右差がある場合に指摘するマンモグラフィの所見用語です。
マンモグラフィは乳房圧迫して挟んで撮影するため、そこに腫瘤が実際に存在するのにはっきりと腫瘤像として認識できない場合と乳腺の重なりや単純に乳腺の分布の左右差のために実際には病変がないのに左右差が現れる場合があります。
いずれにしても、がんを含めた腫瘤の存在が否定できないため、追加の検査が必要という意味で、精密検査の対象となります。超音波などで腫瘤の存在の有無を確認していくことになります。
その際に、指摘された部位とおおよそのサイズの情報があると精密検査の精度が上がります。不要な再撮影をしなくて済むように、可能な限り検診時のマンモグラフィを入手して、受診の際に持参することをお勧めします。
漢字が並んで怖そうですが、意味を理解して、精密検査に臨んで頂ければと思います。