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お知らせ

オンコタイプDXって?

ホルモンレセプター陽性HER2陰性乳がんの初期薬物療法ではホルモン療法を基本的に行いますが、リンパ節転移陰性あるいは1-3個までのケースで点滴による化学療法(殺細胞性抗がん剤)を上乗せするか否かを迷う場合があります。その判断を助けるために行う検査が、オンコタイプDXです。

オンコタイプDXは切除された腫瘍組織のホルマリン固定標本を用いて、増殖・浸潤・エストロゲンレセプター・HER2など21個の遺伝子発現を計測し、荷重係数を掛けて加算し、0ー100点の再発スコアを算出します。予後予測(再発の可能性)と化学療法の効果予測(再発率の減少効果) ができます。

例えば、「閉経後、リンパ節転移なし」の場合で、再発スコアが10点ですと再発リスクが低く、化学療法の上乗せ効果がないと判定されます。一方、再発スコア26点以上の高い点数になると上乗せ効果ありと判定されます。リンパ節転移の有無に関わらず、再発スコアが0~25点の割合は80%をこえると報告されており、多くの患者さんで化学療法を省略できる可能性があります。化学療法不要のケースを客観的に評価し、患者さんごとの適切な治療に結びつけることができる個別化医療の一つと言えます。

実臨床では、年齢・閉経状況・腫瘍サイズや組織学的異形度を含めた病理などの臨床情報と本人の意向を総合的に勘案し、その人にとって一番良い薬物療法の内容を決定します。

高額な検査(10割で435000円)ではありますが、この9/1に保険収載されました。治療における情報の一つとして認識いただければと思います。


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