AYA世代(アヤと読みます)とは、Adolescent and Young Adult(思春期・若年成人)の頭文字をとったもので、主に15歳から39歳までを指します。乳がん患者さんの約2%がAYA世代発症で、30歳から39歳に発症するがん種としては乳がんが一番多くみられます。
この世代は家庭や社会において重要なポジションにある事から、乳がん治療に関してはさまざまな配慮、対応が必要となります。
①若年はそれだけで悪い予後因子とされていますので、しっかりとした治療計画が必要です。
②若年発症であることから、遺伝性乳がん卵巣がん症候群の可能性も考慮して、遺伝学的検査を検討することができます。
③治療が生殖機能に影響することがあり、治療開始前には妊孕性(妊娠するための力)の温存も考える必要があります。治療後の妊娠に関しては、再発しやすくなることはないとされています。
④夫やお子さんや親などの家族に対しても、病状の伝え方や情報の共有などデリケートな面もあり、配慮が必要になります。また、治療をしながら仕事をすることは充分可能ですので、就労支援の体制も重要です。いろんな社会のバックアップ体制がありますので、うまく活用したいです。
がんになったとしても、現実をしっかりと受け止めて、病気を治すこと、人生にとってのより良い治り方を考えて治療を進めていっていただければと思います。All is well.